2015年2月24日火曜日

膳を知る(2月22日)

最近「お膳」のことについて調べていたら、「そっかー、、」と思うことがありました。日本食ってなにかにつけて「お膳」が必要。例えばお茶席の「懐石」でもお膳で食事を出すし、仏事、法事のあとのお食事もお膳で、お祝い事も和式ならお膳で。

数年前にお膳を集めて食事を出すことを企画したことがあります。昔はお祝い事、仏事のためにどこの家でもお客用に膳を20脚一揃えで持っていました。1970年代以降急激に膳で食べる文化がなくなってほとんど残っていません。なのでいまさら膳を集めるのもなかなか大変だったのですが、このときにいつからお膳で食べてたんだろう。。。と思っていました。時代劇とかは使ってるしなー。でももっとまえは? それから、「あれ?でもちゃぶ台でご飯食べてたんじゃなかった?」とも思ったり。

 調べてみると、食事をちゃぶ台で食べる時期ってかなり短い。昭和の初め頃から1970年代頃とのこと。それ以前は一般的な家庭では「箱膳」というモノが使われていたとのこと。お膳の下が箱になっていて、そこに自分の食器をしまっておき、食べる時に取り出して盛る。終わったら昔はほとんど洗わずしまったのだとか。今ほど油料理はないので、お茶と沢庵でお茶碗を洗って、そのまましまっていたようです。  お寺に一日修行に行った時にお坊さんが食事に使う「応量器」といういれこになった漆のお椀で食事をしましたが、あれも食事が終わったらお茶ですすいでそのまましまって次に使う。ようは今みたいに洗剤でしっかり洗うなんてことはしないのです。

箱膳からちゃぶ台に変わったのは1925年頃。このころからやっと一つの食卓にみんながそろって食べるということがはじまり、高度経済成長期、アメリカ文化が入ったことでダイニングテーブルが登場したのだとか。
ちゃぶ台が出るまでは縄文時代からずっと、日本人はお膳で食事をとっているとのことでした。
こういう観点からみると時代劇や古い絵を見る時にとってもおもしろいのです。

日本人はゆのみやおちゃわん、おはしが自分の物ってきまってますよね。でもアメリカでフォークやプレート、コップなどが個別になっているのか。。。このモノが個人に属すという感覚も箱膳で自分のものは自分 と決められていることから、そして日本の食器が直接口をつけることからも個々に決められているとのこと。
これはいろんな国の人にも聞いて、比較してみたいと思ったのでした。
いずれにしても、ごく一般的になっている、テーブルやちゃぶ台のような一つの机で食事をとる、という感覚は日本人にはとても新しいもので、個別の膳の上で決められたものを決められた量食べる、ということが日本人を作ってきた ということなのでした。




この前買ってしまった今年のバレンタインギフト用の「ピエールエルメ」のチョコ。マスクシリーズ。フランスの民族博物館「ケブランリ−ミュージアム」のマスクコレクションからかたちを考えられているそう。
メキシコぽかったりアフリカぽかったり。こういうの、楽しいです。
ケブランリーは大好きなミュージアム。日本のアイヌ民族の衣装なんかも展示されてます。


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