2012年5月4日金曜日

丸亀にて (5月3日)

 香川県丸亀市、88ギャラリーでのグループ展がはじまります。勤めていた島根デザインとそこの本校の先生と学生さんなどのグループでの展示。陶芸や革、金属アクセサリーなどの展示になります。
周藤は久々、新しい作品を作りました。
タイトルは「mother  shoes」    やきもので「骨の道具」を作ることを近年のテーマとして作り続けているのですが、(骨のスプーンを作ったり、骨のジュエリーを作ったり) 今回は靴との組み合わせで作ってみました。
私が「骨」の作品を作ることを知ったオランダ人の友達がある時に、「オランダがスケートの発祥だと思うけど、最初のスケート靴は豚の骨を靴にとりつけたものだった」、という話をしてくれました。そのはなしを聞いてから、実物を見た事もなく、いろいろな妄想が広がり、いつかかたちにしてみたいと思っていました。
おととし、訪れたアイスランドで、とても興奮する博物館にいきました。アイスランドでは木がほとんど生えず、昔から漁を中心とした生活。大きなクジラを捕ったりしてはすべてを加工して消費していました。クジラの骨も彼らの生活の道具を作る重要な素材。骨で椅子や桶や、扉など実にさまざまなものを作っていました。そのどれも骨のかたちをもととしているので、とても美しい。そしてそのなかにアイススケートの靴を見つけました。ついに実物を見た時、ちょっとシンプルでがっかりしましたが、自分の妄想のなかに出来上がったかたちを作ってみようと思いました。
靴を作ろうと考えていた時、偶然に母親の古いハイヒールを見つけました。若い頃,多分30代前半までに履いていたもの。それを見た時に、この靴を型どりして、この状態を写し取った靴を作ろうと思いました。

骨を焼き物で作る、特に青磁のやきもので作ることには「永遠」にしたいという願望があります。もともと朽ちることなく存在し続けるやきもの、とくに青磁には永遠性を感じさせる光があります。うっすらと透明な青いガラスで磁器の生地を覆ってあることで、変わることなく光を放ち続けることが出来ています。
骨は現実のかたちからより植物的なかたちになり、さまざまな小さな突起物で、まるでなにかに寄生されているようにみえる装飾をしているのですが、それは骨自体が生き続けるための変化をし、永遠に存在していく姿にしています。
今回作った靴も、短い女性の一時期を象徴するモチーフ(ハイヒール)をやきもので作ることで、「永遠なるもの」へと変化させています。靴に取り付いた装飾も植物のような小さなものの動きを表し、靴自体の永遠さと、植物的なものの新しい生命感でまた再生しながら存在しつづける様子を表しています。





88ギャラリー展示「ARTS  AND CRAFT 」展は5月3日から5月8日まで。
ぜひ、丸亀のうどんと骨付鶏を食す旅に出つつ、ここにも寄ってみてください!

明日4日はイングリッシュガーデン出店! 丸亀から帰ったら一鶴の骨付鶏をかじりつつビールで、また4日のイベント準備に入ります。
カフェのくじらけんさんのブースのすぐそばなので、ぜひこられたらお声かけくださいませ。今回はアウトレットもいろいろ放出予定です!

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