2012年7月21日土曜日

斐川の一式飾り(7月20日)

斐川の一式飾り、、、、実は今まで知りませんでした。たまたま関わるようになって、いろいろお話を聞くうちすっかりトリコ。
斐川の少し北の「平田の一式飾り」はもうけっこう有名ですよね。無形伝統文化財みたいなのになって。が、けっこう斐川のもいいんです。なにがすごいか。まず、斐川は十数個の自治会がそれぞれに作ってコンテストをしてる。自治会に一つだから10個以上の一式飾りが町のあちこちに設置される。
先日ちょうど祭りの前日、夕方から見学させてもらいましたが、町の人たちが自転車のって全部見て回ってるの、その中には審査員もいて、審査用紙を片手に自転車こいで回っておられました。有名な平田では、もう自治会ごとには作られてないと聞きます。今だに地域の夏の行事としてほぼ全員参加でやってるってとこが、すごい!
さらに作品を比較すると、、、平田の一式飾りは必ず土台となる芯があってそこを中心に作り上げるので、ワイヤーで吊るなんてことは絶対しない。が、斐川はワイヤーだらけ!でもそれをオッケーにしてるから、よりアクロバティックなんです。宙に浮いてる人形とかもあるし、上の方からおろちが降りてくる、なんて構図もできるわけです。
自治会ことにカラーがあって、案内してくださったIさんによると、「素人好み」なのと「玄人好み」な一式があるとかなんとか、、、素人好みはキラビやかな上絵いっぱいのお皿を使ったり、臨場感のある構図にしたりとか。「玄人好み」な一式は地味な色のうつわを作っていてもまとまってて、それでいて細部をみると繋がり方とかが絶妙にうまかったりとか、そういうところを鑑賞するようです。Iさん、一式飾りを語るととまりません、、、、これで酒が飲めますね。。。

しまねっこ。うしろは出雲大社ですねー。




ここ3週間にわたって、時々制作の様子を見させてもらっていました。

最初の方、まずは骨組み。船をベニヤ板で作ってます。ここの自治会は、葛飾北斎の絵を元ネタにして制作。船に乗って大きな網で漁をしている様子を作られるところ。
大きな網は竹と針金で骨組みを作っています。


骨組みにお皿がだんだん張り付いてきました。細い針金で留めていきます。素手でされているので、けっこう手が痛そう,,。人間は足から上に向かって作るので,バランスがとっても難しいとか。たしかに。。。この網を引く漁師、力一杯網を引いている様子を花瓶をつなげて表現するって、難しそうです。



出来上がり。披露は夜のお祭りの時なので,しっかりライトアップしてよりドラマティクです。網の向こうに見えるのは富士山。
この日、夜遅くにもう一度みると、一式飾りの前で、その自治会の方々が宴会中。どうやら特選、だったみたいです。おめでとうございます!

私はこの人形たちの腕や足になる花瓶を作ったのでした。これから何十年と一式飾りに使ってもらえると思うとうれしいのです。多分Iさんたち、今の60代のおじさんたちはすでに、次の世代がつないでいってくれることも頭に入れて購入してくれたはず。これからもこの小さな夏のお祭りを、みんなでずっと続けていってほしいものです。


こちらは小学生たちが作った一式飾り。セロテープで留めてますが、なかなな上手。
「みたてあそび」みたいで、いいですよね。すでに次世代も育成中ですねー。


2 件のコメント:

mao さんのコメント...

未知なる世界だわ・・・。
先生の壺たちの使われっぷりが気になるぅ~♪

って、しばらくWEBから距離をおいてた隙におもしろい事がイロイロ行われている(T_T)

周藤 香織 さんのコメント...

まおさーん、
どうも焼きが気に入らなくて、もっかいポット作り直します。大変お待たせして
ほんともうしわけないっす。もうちょっと待ってね。秋にはなんとか。